2010年8月のニュースから 大手物流企業の第二四半期業績

各社とも増収でしたが、増益についてはまだら模様だったようです。理由は変動費
のコスト管理です。おそらくフォワーディングでの航空、海上運賃の下払いの増加
を荷主に転嫁できたタイミングのずれがおおきかったのではないかと思われます。
下半期にかけて業績回復は固いと予想されます。

DHL
    2010 1H
売上  24.8  9.9%増加
EBIT  1.1 87.9%増加
(EUR M )

取扱量の増加により売上高も大幅に増加しました。一方で変動費も大幅に削減さ
せ、利益も大幅に増加しています。

Kuehne + Nagel

    2010 1H 2009 1H
売上   9,849 8,498
粗利   2,961 2,929
営業利益(EBITDA) 475 466
税引前利益(EBT) 358 337
純利益      281 258
(CHF million)

売上は大幅に増加していますが、変動費も増加や利益率の低下などのためか、利益
増加への貢献は少ないようです。

パナルピナ
     2010 2Q 2009 2Q
売上   2,288 1,710
粗利   380 352
EBITDA (64) 37
(百万フラン)

TNT
    2010 2Q 2009 2Q 
売上   211  201
純利益   3 81
(EUR M)

UPS
   2010 2Q 2009 2Q
売上  $12.2 B $10.8 B
営業利益 $1.4 B $895 M


国際輸送管理  中国物流市場(1)

2007年度物流費比較

      管理コスト 在庫コスト 輸送コスト  合計            単位

日本   \1,900  \15,600   \28,500     \46,000         10億円
アメリカ US$54   US$487   US$856    US$1,397(\139,700) 10億ドル
中国   RMB608  RMB1,554  RMB2,533 RMB4,694(\65,719)  10億元

マクロ的に物流市場の規模を把握するために、日米中の物流コストを比較しまし
た。2007年度までの過去5年間の平均伸び率を比較すると日本が2.4%なのに対し
て、米国が8.86%の伸びを示している。中国に至っては16.98%と非常に高水準の成
長を続けています。規模では中国(約61兆円)は米国の半分ですが、すでに日本を
越えています。


国際物流財務(3) 日本の物流コスト

JILS2007年度の調査結果の日本の産業別物流コストです。物流コストの算定は経産
省が発表した物流コスト算定マニュアルに基づきます。



売上高物流コスト比率

全業種 4.48%
製造業 4.79%
非製造業 5.00%
卸売業 4.96%
小売業 5.28%
その他 3.09%


物流機能別構成比
輸送費 58.20%
保管費 16.30%
その他 25.50%

支払形態別構成比
自家物流費 17.50%
物流子会社支払い 17.00%
事業者支払い 65.50%

領域別構成比
販売物流費 71.20%
社内物流費 20.20%
調達物流費 8.60%

特徴としては製造業よりも非製造業の方が売上高物流コスト比率が高く、その中で
も小売業高いことです。絶対額では製造業が非製造業より大きいはずです。

構成別では運送費の割合が6割あること、自家物流よりも下請けへの支払いが多い
こと、調達や社内物流より販売物流コストが多いことです。この運送費にはトラッ
ク、鉄道、航空、船舶なども含まれますが、最大のコストはトラック輸送費です。

以上から製造業において、販売物流の下請けへ払う運送費(特にトラック輸送費)
が最大の物流コストであることがわかります。

ちなみに、売上高物流比率は、上場企業の有価証券報告書から販管費と製造業原価
の物流関係項目を集計して算出したデータでは、JILSの半分以下となります。物
流に係わる人件費や施設費用などを正確に配費出来ていないためだと考えられま
す。

従って物流費を正確に把握する事が、物流コスト削減の第一歩であると言えます。



コントラクト・ロジスティクスの成長

K+NやCevaがコントラクトロジスティクス分野で売上を拡大しています。ドイツ
ポストやK+Nは、事業セグメントのひとつにコントラクトロジスティクスがあり
ます。ドイツポストは、グローバルプレート、サプライチェーンと同じ分野として
います。

2008年度までのK+Nについていえば、コントラクトロジスティクス業務を強化し
ていることが、好業績の大きな要因でした。2008年度だけでもサムスンやエアバス
など数多くのコントラクトロジスティクス業務の契約を獲得しております。05年か
ら08年にかけてコントラクトロジスティクスセグメントは売上高を約255%成長さ
せて、08年度4,732百万ユーロ(6151億円。130円換算)の規模をもちます。

コントラクトロジスティクスの定義ですが、期間、料金、サービス範囲などを明記
した契約に基づいて行うロジスティクスサービスです。倉庫と配送業務が絡むロジ
スティクス業務が該当する場合が多いと思いますので、実質的には日本でも多くの
ロジスティクス事業者が同分野でサービスを提供しております。ただ正式な契約書
を締結して、いるかどうかが大きなポイントです。

参考までにに契約書については国土交通省から3PL契約書ガイドラインが公表さ
れておりますので参照してください。

荷主の経営資源のコア業務への集中化、コスト削減を目的としたロジスティクス業
務のアウトソーシング化が背景としてあるものと思います。コントラクトロジステ
ィクス業務をグローバルに延ばすためには、ITの整備、幅広いワンストップサー
ビス、グローバルなサービス体制などが求められるといわれます。K+Nについて
は、事業強化のための欧州を中心とした組織再編を積極的に行いながら事業拡大を
図りました。


国際輸送コンサルティング 国際輸送管理(1)

国際海上輸送や国際航空輸送での問題点として、目先のコスト優先という点を挙げることができます。入札などで海上輸送の最安値を提示するロジスティクス事業者を最優先する企業がありますが、実際には事業者の信用性をよく吟味する必要があります。信用性とは、営業担当の信用だけではなく、その会社の荷主企業へのロイヤルティー(リスク許容度など)や実務担当者の能力、さらには下請けとなる実輸送業者や作業会社、海外法人、海外代理店の能力なども含まれます。そこまですべてをチェックすることは実際には不可能ですが、チェックリストの中には含んでおくべき点です。コスト再優先は大前提ですが、その前にチェックするべき確認事項は多数あります。


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