中小企業の国際輸送管理(3)

国際海上輸送のコスト見直し策としては、

船会社の変更
ダイレクト船からトランシップ船の活用
国際海上 混載の活用

などが考えられます。

直行船は航海日数が短いので一般的には海上運賃も高めに設定されています。その点、トランシップ船は航海日数が長くなるので、フレートも相対的に割安に設定されます。

トランシップというのは、積みかえのことで、例えば東京から釜山経由で、ヨーロッパに積まれるようなことを意味します。

サプライチェーンマネジメントの考え方からは、輸送日数の長期化は全体最適に逆行しますので、納品までの期間との調整が重要です。洋上在庫となるため、在庫増加によるコスト増の要因にもなります。倉庫に眠っている在庫以外にも、輸送上の在庫は存在するのです。

またトランシップ港の混雑などで、船の遅れなどのリスクもあることもご注意ください。

従って、トレードオフがあることを認識した上で、十分にシュミレーションを行い、意思決定してください。

国際海上輸送での混載便の使用も一つのコスト削減策となります。数量があまりまとまらない場合には、コンテナ単位で運ぶよりも、混載便を利用することでコスト抑制を図ることができます。

ただし、コンテナ単位での輸送よりも、港などでの貨物の取扱作業が入るため、時間がかかり、手数料も発生することにも注意が必要です。

従って向け地ごとに、コンテナ単位での輸送と混載便での輸送の損益分岐点は異なりますので、注意深く計算して検証しながら、最適な数量を割り出す必要があります。

仕組みなどについてご質問があればお寄せください。



物流改善が進まない理由

中小企業で物流改善が進まない理由の一つに、人材が限られているため物流の専門家を置くことができないことが挙げられます。生産管理や総務、経理などとの兼任が多いのではないでしょうか。場合によっては営業との兼任もあります。

経営者も人手が掛って面倒な上、業務が多岐にわたるため、改善なども後回しになりがちなのではないかと思います。

その結果、物流改善といってもトラック輸送費のチェックや値下げ交渉などわかりやすい問題だけに終始して、抜本的な改善が行われない場合が多いと思います。ブラックボックス化が進んでいくこととなってしまいます。

物流は非常に多岐にわたる業務活動があり、すべてコストです。改善の余地はいろいろあると認識して、積極的に見直しに取り組んでいただきたいと思います。




中小企業BCP策定運用指針

中小企業庁が策定したBCP運用指針は、中小企業へのBCP(緊急時企業存続計画または事業継続計画)の普及を促進することを目的として、中小企業関係者や有識者の意見を踏まえ、中小企業庁が作成したものです。指針には、中小企業の特性や実状に基づいたBCPの策定及び継続的な運用の具体的方法が、わかりやすく説明されています。 

指針に沿って作業すれば、サンプルのような書類を完成することができます。


賢者は歴史に学ぶ

「軍事戦略を学んだ人なら、戦闘に勝ち、最終的に戦争で勝利を収めるための、3つの必須条件があることを知っているだろう。第1の条件は、歴史を知っていること。米国の哲学者ジョージ・サンタヤナが言ったように、「歴史を知らぬ者は、歴史を繰り返すのがさだめ」だからだ。顧客との関係について、組織自身について、業界について理解し、さらにそれらを歴史に照らし合わせてみることにより、将来を見据えたマーケティングができるようになる。第2の条件は、状況を完璧に心得ている場合には、外部環境と、内部環境の両方を把握している必要がある。第3に、成功に手にするためには、複数のシナリオに基づいた複数のプランからマーケティング戦略を立てなければならないこと。プランAだけで完璧ということはめったにない。」
『コトラーのプロフェッショナル・サービスマーケティング』


企業経営でも歴史を学ぶことはとても大切だと思います。企業経営で、大成功は難しいと思いますが、失敗させない(つぶさない。継続する)ことは可能だと思います。企業を継続させるためには、2代目、3代目の経営者であれば、自社の歴史に学ぶことが重要だと思います。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」(オットー・フォン・ビスマルク)


中小企業の国際輸送管理(2)

コスト管理を行う場合、サプライチェーンの観点からまず輸送業務の分解を行い、各段階でのコストを詳細に検討する必要があります。

海上コンテナ輸送を例にとれば、

・工場・倉庫でのコンテナ詰め作業
・工場・倉庫からのコンテナ輸送
・輸出書類作成、通関手続き
・海上輸送
・現地での輸入通関手続き
・現地港からのコンテナ輸送
・現地工場・倉庫でのコンテナ出し作業

などの業務があります。

コスト的に大きな割合を占めるのは輸送業務ですから、コンテナ輸送と海上輸送だと思います。

コンテナ輸送費用の削減といっても輸送業者を比較して安い方を選ぶなどといっても限度がありますし、輸送品質維持の側面からも問題があります。

WIN-WINの関係で、協力関係を維持しながらお互いにメリットが出るようにコスト削減を検討するべきです。

海上輸送では通常Weeklyサービスが基本です。コンテナ輸送日の調整や、ひきとり時間の調整などで、コンテナ輸送業者もメリットが出て、コスト削減が図れるようにするなどいろいろ検討は可能です。

ただし、もちろんそのための生産調整なども検討が必要になります。サプライチェーン全体でのコスト削減の観点から検討する必要があります。




平成24年7月1日から改正育児・介護休業法が完全施行

育児・介護休業法は、平成21年6月に改正され、一部を除き、平成22年6月30日から施行されました。常時100人以下の労働者を雇用する中小企業についても平成24年7月1日から施行されます。

詳しくはリンク先(厚生労働省のHP)をご覧ください。


サービスが先、利益は後

「企業経営において、人の問題は最も重要な課題である。企業が社会的な存在として認められるのは、人の働きがあるからである。人の働きはどうでもいいから、投資した資金の効率のみを求めたいとう事業家は、事業家をやめた方がいいと私は思う。
・・・「サービスが先、利益は後」という言葉の意味は、利益がいらないと言っているのではない。先に利益のことを考えるやめ、まず良いサービスを提供することに懸命に努力すれば、結果として利益は必ずついてくる。それがこの言葉の本意である。
・・・利益の言葉からい考えていれば、サービスはほどほどでもよいと思うようになり、サービスの差別化などはできない。となると、収入も増えない。よって利益はいつまでたっても出ない。
・・・「サービスが先、利益が後」というのは、社長だから言える言葉である。」
『小倉昌男 経営学』141頁

人口が縮小している日本市場ではそのままあてはめることが難しい場合もあるかもしれませんが、現在でもこの考え方を実践して成長している企業は多く存在します。学ぶことが多い経営学の教科書です。


社員のやる気を引き出す経営

「未来工業では1年間に約1000件を社員が出します。自分たちが要求するわがままを経営陣が「社員の幸せのために」と聞いてくれるため、それを可能にする状況を自分たちで作らなければと自覚して、新商品のアイデアを次々とだすのです。」(『会社は家族 社長は親』51頁)

以前、未来工業の社長の講演会を聴いた際に、こうした経営を可能とするための秘訣をいくつかお伺いしました。

「人は管理しないのが良い。大枠だけ余裕を持って決めて社員のやる気、自主性に任せる」
「社員は「やれ」といわれるとやらない。「やるな」というとやる」
「上司は部下から不平不満を言われたら「負け」。上司は部下から尊敬されるように自己研鑚が求められる」
などなどです。

こうしたことを経営で実現するためのさまざまな仕組みが未来工業では実践されています。

興味のある方はお問い合わせください。


中小企業の国際輸送管理(1)

東関東大震災、歴史的な円高など、さまざまな要因が重なって、大手メーカーの海外移転が進んでいます。今までと異なるのは、以前は移転後、日本国内でも新規投資が行われていましたが、現在は新規投資が行われない点です。文字通り、海外に工場を移転している状況です。それに伴って、中小企業も海外への進出や移転の必要に迫られています。

海外進出にあたって注意すべき点は非常に多くありますが、国際輸送の側面からは下記の事項に注意するべきです。

1.輸送コスト

2.輸送期間

3.手続きの煩雑さ

それぞれ非常に多くの要素を含む内容です。例えば、一言で輸送コストといっても、日本や第三国からの調達品があれば、それらの輸送コストを検討する必要があります。日本からの輸出の輸送費用だけでは不十分です。

ちなみに日本へ製品を戻す(日本からすれば輸入)とすれば、その運賃も考える必要があります。さらに輸出と輸入でコストもまったく異なることに注意が必要です。




中小企業の物流改善(5) 在庫は必要悪

今更触れる必要もないことかもしれませんが、在庫は必要悪です。この点を明確に意識しているかどうかは非常に重要点です。改善するための動機づけともいえます。

在庫は顧客サービスの視点からすれば必要ですが、在庫をもつ企業にとっては費用発生を招くため、できるだけ少ない方がベターです。

費用発生の理由にはさまざまなものがありますが、大きく分類すると下次の点ではないでしょうか。

・在庫品目の売価下落や品質劣化、陳腐化
・在庫品目の不良資産化による廃却損発生
・在庫に投資した資金の固定化と金利負担
・在庫保有コスト(荷役費、倉庫費、情報システム費など)

在庫はお金が変わったものです。在庫を持つことは、利子をつけてお金を預けているようなもので、さらに長期になれるとお金がなくなってしまう危険性も高いということです。

こう考えるとできるだけ少なくしたいと思いますよね。




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