中小企業の物流改善 在庫管理(1)

メーカーでは、製造原価の中で最大の割合を占めるのが、原材料費、部品費です。労務費(人件費)よりも大きな割合を占めます。そのため原材料費の圧縮がコストダウンに一番効果があります。

まず生産工程での歩留まり向上や中間品、製品の陳腐化ロスの削減などが求められます。

資材・物流部門としては、資材購入費の削減が考えられますが、購入先との折衝などがあるため直ちには対応できません。社内で対応できることとしては、在庫の削減です。

在庫削減策としては、まず伝票上の在庫数と現品との一致が大前提となります。正確な在庫数量の把握を前提として、さまざまな在庫管理理論に基づく在庫削減手法が検討されるからです。数字と現品が一致しない限り、理論に基づく仮説も全く意味を持ちません。

在庫の数字と現品を一致させるためには、保管する棚ごとに棚札などの簡単な在庫管理伝票を用意して、材料・部品の入庫・出庫ごとに都度記入することが必要です。棚札の記載内容は、材料・部品番号、名称、保管場所(棚番)、月日、製造番号、入庫数、出庫数、在庫数などです。これをこまめにつける必要があります。

実際に使用する際には、先入先出が原則となります。食品生産では当然ですが、廃棄ロスなどを防ぐためには、先に入ったものから使うことが原則です。

棚札の数字と現品とを一対一対応で突き合わせて確実に確認することで、数字と在庫数を合わせます。

仮に不一致の場合には、直ちに原因を追求します。解決されない場合には、在庫数を現品に合わせて修正します。


中小企業の物流改善 在庫管理(2)

棚札とは、ある場所におかれている部品の現時点での数量を部品の種類ごとに把握するためのツールです。ポイントは

・一つの置き場所、一種類の部品について一枚の棚札を配置する
・部品が入庫、出庫した都度直ちに記入する
・在庫数を計算記入すると同時に、現品数を突き合わせチェックする

部品などの現品在庫数は現に目の前にある現品と、一対一の対応で確実に確認します。もし不一致の場合は、それを異常として、ただちに原因を追求し、必要ならば在庫数を修正します。

在庫数は在庫台帳によっても把握されていますが、正確性の維持が最大の課題です。照合するためのツールが棚札です。

100%の精度が目標ですが、現実的には95%程度が精度の目標となります。


物流業界での人手不足

トラック業界でのドライバー不足は有名です。少子高齢化といったマクロ経済要因から、ICT発達による労働強化、不法駐車の取締強化などトラック業界の内部要因、更に長時間労働、低賃金などの企業内部の要因もあります。さまざま要因がドライバーのなり手を減少させているのです。

これは多くの場合、物流業界全体に当てはまることです。実際、物流現場でも小売業界などの好調もあり、パート社員などの人材が集まりにくくなっています。先ほどあげた要因以外にも、物流現場は郊外にあることもあり、更に人材獲得に難しくなっています。

対策としては、受注金額が抑えられる傾向にあるため、賃金を上げることにも限界があります。人が生き生きとして働くインセンティブには、賃金以上に、職場の雰囲気やコミュニケーションの良さ、ワーク・ライブ・バランスの良さなど、数字では測れない要因が数多くあります。

経営資源に制約がある中小企業の物流企業としては、まずこうした数字では測れない部分の改善に取り組むことが重要となります。

お問い合わせはinfo@j-log.comまで。


労働者派遣法の改正と物流業界

労働政策審議会が労働者派遣法改正を建議しました。今回の通常国会での成立、来年4月の施行を目指しております。

改正点はいろいろありますが、最も大きな改正点は26業種の廃止と一般派遣の3年期限化、無期雇用者派遣(現行での無期雇用者の特定派遣)の無期限化です。また、特定派遣業(届出制)が廃止され、一般派遣業(許可制)に一本化され、許可要件も厳しくなります。

派遣先の物流事業者についていえば、物流現場での派遣といえば自由化派遣(期限3年)が一般的です。今までであれば担当業務を廃止しなければ、新たに派遣社員を受け入れることはできませんでしたが、今後は派遣社員を交代させることで、業務を継続させることが可能です。

更に、派遣元が無期雇用する社員の派遣であれば、無期で派遣することが可能となります。人単位での派遣となったのです。

派遣社員による物流現場作業が無期化されたことは大きな前進です。今までであれば請負契約でしかできなかった作業を派遣社員に任せることが可能となったのです。請負業務でのさまざな制約、特に直接に指揮命令可能となった点は物流企業側には大きな改善なのではないでしょうか。

更に詳しく知りたい方はinfo@j-log.comまでメールでお問い合わせください。


認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を経営改善支援センターで開 始

認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を経営改善支援センターで開
始します


全都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会に『経営改善支援セン
ター』を新設しました。一定の要件の下、認定支援機関が経営改善計画の策定
を支援し、中小企業・小規模事業者が認定支援機関に対し負担する経営改善計
画策定支援に要する計画策定費用及びフォローアップ費用の総額について、経
営改善支援センターが、3分の2(上限200万円)を負担するものです。


中小トラック会社の経営改善

トラック業界は、運賃の低水準固定化、新規参入業者増加による競争激化、ドライバーの高齢化・確保の困難化、燃料費の増加などにより、収益性の低下が進んでおり、業界全体でも利益水準はマイナスだと言われております。

一方で、企業毎の経営を見た場合、トラック単位・営業所単位などでの原価管理の不徹底などによるコスト管理面での課題や、社員教育や労働安全衛生など労務面での課題などさまざまな経営課題に直面しております。

業界全体は外部環境要因ですから所与として、自社で取り組むことができる原価管理の徹底や労務管理の改善などに、地道に取り組むことで収益性の改善を図るべきです。

質問などはinfo@j-log.comまでお寄せください。


平成25年度中小トラック運送事業者のための「経営診断事業」のご案内

平成25年度中小トラック運送事業者のための「経営診断事業」のご案内

全日本トラック協会では、経営改善対策に取り組む中小トラック運送事業者が全ト協標準経営診断システムによる 「総合的な経営診断(ステップ1)」「経営改善相談(ステップ2)」の受診を希望した際に、 トラック運送事業の経営診断に豊富な経験を持つ専門家を紹介したり、経営診断・経営相談費用の一部を助成する事業を実施します。


金融円滑化法終了と物流改善による出口戦略

中小企業の資金援助を目的とした金融円滑化法が25年3月で終了します。法律によって多くの中小企業の資金繰りを支援してくることができました。しかしながら、経営に問題がある中小企業にとっては結果的に根本的な経営改善を図る機会を先延ばしするだけとなったケースも多いようです。

経営改善については物流面からの改善手法についてこれまで説明してきました。

中小企業では物流改善によるコストダウンに消極的です。コストダウンを図っていたとしても、目先のトラック運賃の削減など部分最適なコストダウンしか図っていないことが多いようです。なぜなのでしょうか。

物流の範囲が広く、関わる業者も多くてめんどくさい上に、わかりにくいため、コストダウンがむしろ手間になると考える経営者が多いようです。大抵、物流はパートタイマーなどに任せて、しかも片手間になる場合も多いので、さらに実体が見えにくくなりがちです。大手メーカーでもそうですが、物流部門に優秀な人材を配置しません。理由は簡単でコストセンターだからです。

ドラッガーはかつて物流を暗黒大陸といい、利益の源泉と指摘しました。売上ー費用=利益です。売上が上がらない状況でも、費用削減で利益は出せます。ドラッガーの指摘は今でも通用します。特に現代のように、グローバルにモノが動けばなおさらです。どこからてをつけるべきか、判断に迷います。

しかし、コストセンターだからこそ、みなやりたがらないからこそ、見直すべきなのです。差をつけることができるからです。

中小企業の財務諸表を見ると、物流の観点からだけでも、黒字化に貢献出来そうな場合もあります。

まず、物流の見える化から取り組むのが必要です。何しろ追加投資は不要です。普段当たり前に行っている輸送・荷役・在庫方法を追加投資を行うことなく、変えるだけで大幅に在庫を減らす可能性もあります。

在庫はお金です。キャッシュフローを改善するための手法が物流改善にはあるのです。


中小企業の物流教育の重要性

いうまでもなく仕事を行っていく上で経験と知識は重要です。経験は仕事を通じてしか得ることはできません。一方、知識は業務以外からも得ることはできます。経験を補うのが知識だと思います。

中小企業では、日常業務に追われて社内教育が不十分になることが多いのが現状です。特に物流となると、さまざまな本が出ていますが、範囲が広かったり、実務的でなかったりするため、学ぶことが難しいのが現状だと思います。

ちなみに公的な教育では、ビジネス・キャリア検定試験にロジスティクス・オペレーションとロジスティクス管理があり、検定用のテキストが比較的よくまとまっていると思います。

http://www.javada.or.jp/bc/

ただ物流についていうと、物流機能そのものの知識も重要ですが、むしろ物流現場での問題点とその改善策の見つけ方について学ぶことがとても重要だと思います。

ここは物流というよりも経営工学のIE(インダストリアル・エンジニアリング)の分野の応用として、物流工学の視点が非常に役立ちます。

この分野では難しい数式を駆使して分析するような大学教授の本などはありますが、中小企業が実務的な側面で、改善を行うために優しく書かれた本などはありません。

こうした背景からJ-Logでは下記2つのeラーニング講座を提供しています。

IEによる物流改善
http://www.logistics-japan.jp/school/index.php?ID=33&cID=3

人間工学による物流改善
http://www.logistics-japan.jp/school/index.php?ID=22&cID=3

IEの考え方を物流現場で実践的に活用する方法と、人間工学の考え方から物流事故の削減への取り組み方について説明しています。


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