DBシェンカー コントラクト・ロジスティクス業務強化

DBシェンカーがコントラクト・ロジスティクスを強化するという記事がありまた。

具体的には自動車、消費財、電気、中規模産業機械の業界をターゲットに、米国、
ドイツ、中国でのコントラクト・ロジスティクス業務の受注獲得を目指しているよ
うです。いわゆる日本国内でいう3PL業務と同じ意味ですが、グローバル性の点
で広がりが大きいといえます。

具体的には、強化を目指す地域での倉庫・配送業務に、同社のネットワークを活用
した、航空・海上のフォワーディングによる調達・出荷物流を行うことを目指すよ
うです。

コントラクト・ロジスティクス事業の規模については、ドイツポストの
2008年度アニュアルレポートに下記情報があります。同社のアニュアルレポートの
充実度の参考例ともなります。

コントラクト・ロジスティクス 2007年上位5社

市場規模 EUR206billion \26,780
    シェア  売上
DHL 6.4% \1,714
Ceva 1.7% \455
Kuehnes+Nagel 1.4% \375
Wincanton 1.3% \348
UPS SCM 1.3% \348
単位10億円
出典: ドイツポスト推計

DBシェンカーの戦略は、同分野の市場成長率が高いこともありますが、DHL、
Ceva、K+Nなど競合が同分野を軸に成長を続けているための競争戦略も含ん
でいると思われます。

先日、従来は日系船会社やロジスティクス企業を起用していたソニーとSECが、
共同で欧州系フォワーダーなども含めたグローバル・ロジスティクス・ビッドを行
うとの記事がありましたが、間違いなくDHL、K+Nなどを念頭に置いたことだ
と思います。

こうした企業に対抗できるだけの日系企業がどれだけ存在するのか非常に不安です
が、日系メーカーは日夜グローバルな競争にさらされています。日本のロジスティ
クス企業も船会社だけでなく、真のグローバル企業に生まれ変わるための企業戦略
とその実行が求められていると思います。


国際物流財務(2)

日米欧の大手ロジスティクス企業の経営分析をする機会が数社のアニュアルレポー
トを比較する機会がありました。

内容的に欧州系ロジスティクス企業のアニュアルレポートが一番内容が充実してい
たと思います。

それぞれの特徴としては、

欧州系企業は、事業セグメント情報、地域セグメント情報などを事細かに説明して
おり、また企業戦略やブランド戦略などについても細かく説明があります。マーケ
ット状況や企業のおかれたマーケットポジション、企業の内部状況、企業戦略とし
て狙っていることなどが非常に明確に把握可能です。それだけで経営分析が行える
ほど充実しているといえます。

米国はそれに継ぎますが、米国中心の世界観をそのまま反映しているような印象で
す。事業・地域セグメントをみると収益構造が米国の事業に大きく偏っていること
も反映しているためかもしれませんが、米国国内事業を中心の事業だと非常に明確
に理解できます。

日本は数年前よりも格段に向上したと思いますが、もっと詳しいセグメント情報な
どの内部環境情報や、さらに欧米企業同様のマーケット情報など外部環境分析のた
めの情報などもほしいところです。

経営学的に、企業活動のグローバル化(国際化)の段階理論がありますが、アニュ
アルレポートからだけ判断するロジスティクス企業のグローバル化段階では、

国際化   日本
多国籍化  米国
グローバル化 欧州

という印象を受けます。


コントラクト・ロジスティクスの成長

K+NやCevaがコントラクトロジスティクス分野で売上を拡大しています。ドイツ
ポストやK+Nは、事業セグメントのひとつにコントラクトロジスティクスがあり
ます。ドイツポストは、グローバルプレート、サプライチェーンと同じ分野として
います。

2008年度までのK+Nについていえば、コントラクトロジスティクス業務を強化し
ていることが、好業績の大きな要因でした。2008年度だけでもサムスンやエアバス
など数多くのコントラクトロジスティクス業務の契約を獲得しております。05年か
ら08年にかけてコントラクトロジスティクスセグメントは売上高を約255%成長さ
せて、08年度4,732百万ユーロ(6151億円。130円換算)の規模をもちます。

コントラクトロジスティクスの定義ですが、期間、料金、サービス範囲などを明記
した契約に基づいて行うロジスティクスサービスです。倉庫と配送業務が絡むロジ
スティクス業務が該当する場合が多いと思いますので、実質的には日本でも多くの
ロジスティクス事業者が同分野でサービスを提供しております。ただ正式な契約書
を締結して、いるかどうかが大きなポイントです。

参考までにに契約書については国土交通省から3PL契約書ガイドラインが公表さ
れておりますので参照してください。

荷主の経営資源のコア業務への集中化、コスト削減を目的としたロジスティクス業
務のアウトソーシング化が背景としてあるものと思います。コントラクトロジステ
ィクス業務をグローバルに延ばすためには、ITの整備、幅広いワンストップサー
ビス、グローバルなサービス体制などが求められるといわれます。K+Nについて
は、事業強化のための欧州を中心とした組織再編を積極的に行いながら事業拡大を
図りました。


物流財務(1)

2016年から実施予定の国際会計基準に基づく会計基準の変更で、物流に関る点として、収益の認識時期が出荷時から到着時に変更されることがあります。すべてが到着基準になるというわけではなく、契約により出荷基準も適用されるのではないかと思います。

たとえば、貿易ではCIFとFOB契約の違いのような場合が考えられ、CIF契約の場合は船積時ではなく、船の現地到着時が計上時点となると考えられます。FOB契約では船が出港した時点となるのだと思います。この点は、詳しい情報がないため、今後調査してご報告したいと思います。

日経によれば、富士通は輸出製品の到着までの日数を計算して到着時点基準に変更したと記事が書かれておりました。

物流事業者への影響としては、今まで以上に厳密な輸送管理(到着管理)を行うことが求められます。いわゆる輸送の可視化が求められますが、そのためにはIT化が不可欠です。国際輸送に携わる物流事業者の場合、特にその点が重要ですが、整備には金と人材が必要ですので、中小企業の場合は困難を極めると思われます。

一方で、到着基準への変更による改善効果としては、売上を立てるための期末や月末の出荷集中化が軽減され、出荷物流業務の平準化が図れることが期待されます。作業員や荷役、輸送機器の配置が減り、コスト削減にも繋がるものと期待されます。


TNTの経営戦略 2 - 選択と集中

***(1)TNTの経営戦略 - 選択と集中 ***

前回の環境分析から考えられる戦略からTNTが選択した戦略を見てみたいと思います。

(戦略代替案)
*自社の強みと市場機会を活かすためには、エキスプレス、メール事業を強化して、
東欧や中国市場へ進出するという戦略案がある。

*弱みを補うためには、ロジスティクス、フレートマネジメントを強化して、
ワンストップショップへ対応するという戦略案がある。

結論としては前者を選択しております。

A.事業分野の選択と集中

USPやFEDEXのようにワンストップショップでなくてもエクスプレス、メール事業で成
長可能と判断して、エクスプレス、メール事業へ経営資源を集中させたようです。
そのための手段として下記の経営戦略が生まれたと考えられます。

ロジスティクス部門の売却 アポロ・マネジメントへEUR 1,480 million(2250億円)で売却。
http://www.j-log.sakura.ne.jp/eloginet/index.php?ID=13

フレートマネジメントの売却 GEODISへEUR460million(750億円)で売却。
http://www.j-log.sakura.ne.jp/eloginet/index.php?ID=22

事業売却により一時的にリストラを行い、資源を成長分野に集中させ、次なる成長を
目指していると思われます。

B.市場の選択と集中

事業分野だけではなく、市場についても選択と集中を行っています。
成長市場である東欧や中国への経営資源の集中と、中国とEU間の物流を強化しています。

一方で、世界最大の市場でもある米国市場は捨てているような感じです。
米国なしでもエキスプレスキャリアーとしてUPS、FEDEX、DHLなどと競合可能と判断して、
米国は強化しない戦略(JOC 17/7/06)という見方もあります。。

***(3)TNTの戦略から学ぶこと ***

本当に絵に教科書通りの選択と集中という感じです。
TNTのニュースを読んでいるとよく"Network"という表現で、エキスプレスとメール事業を
まとめて表現していました。ネットワーク事業を中核事業としてとらえて、それに経営資源
を集中することで生き残りをかけてたようです。

また、事業活動もEUを中心として、東欧、アジア特に中国に集中するようです。
米国はすでにUPS、FEDEX、それにドイツポストによる競争が激しいため、最低限の注力で
顧客ニーズをカバーするのでしょう。

グローバルなワンストップサービスというのが、グローバル・ロジスティクス企業の条件の
ように理解していましたが、誤解だったことに改めて気付かされました。

もっとも、UPS、ドイツポストなどに売却するために準備しているなどとと穿った見方もある
ようです(TNTは否定しております)ので、今後の動向に注意して見たいと思います。

次回は、引き続きTNTを題材にあげて、企業価値(買収価格)算定について検討します。



***(4)TNTの具体的(05年アニュアルレポートから)***

A.エキスプレス事業
先進国ではマーケットが成熟しているが、中国、東欧などではまだ成長している。そのため両地域に積極的に展開する。
-東欧 自動車、ハイテク産業の進出の獲得
-中国 EU間との物流構築と中国国内のネットワークを構築 

B.メール事業
オランダ国内では安定した収益。ただし、値下げや需要の減少など状況的には厳しい。
オランダ国内だけでなくEUからの規制も多い。EUの規制では、郵便事業での利益を他事業に投資することはできない。

そうした背景にあっても、ヨーロッパおよび他地域との国際郵便事業の展開を強化。
具体的には、ヨーロッパの郵便事業者の株式取得を検討。またChina Postと提携。

(ロジスティクス・ジャパン 06年12月10日の記事です)


TNTの経営戦略 1 - 環境分析 [

***** TNTの経営戦略 - 環境分析 *****

***(1)PEST分析(外部環境分析) ***

Politics  世界的な自由化の流れ
Economics 世界的な規制緩和(経済のグローバル化)、顧客の短納期・低コスト輸送の要請
Society  グローバル化への反対勢力の存在とリスクの拡大(テロなど)
Technology 航空機輸送能力アップ(航空機・空港の大型化など) 情報通信技術(IT)の高度化

(分析)
テクノロジーを活用して経営を強化できる企業にとっては、現在の政治経済の状況は大きなビジネスチャンスである。
一方で、リスクが拡大しているため、リスクマネジメントが非常に重要となる。

***(2)4C 分析 ***

Company メール、エキスプレス事業に強み。ロジスティクスの売却。フレート部門の低収益性。
Customer 短納期要請。低コスト要請。可視化などITサービス強化の要請。
Competitor インテグレーター(ドイツポスト、UPS、FEDEX)。フォワーダー(キューネ&ナーゲル、パナルピナなど)。
Channel グローバルネットワーク

***(3)SWOT分析 ***

強み:エキスプレス、メール事業の強さ、高収益性
弱み:ロジスティクスの低収益性。フレートマネジメントの低シェア。ワンストップショップへの対応の遅れ。
機会:市場拡大(東欧・中国の拡大)。エクスプレス、メールへのニーズの拡大(SCMの浸透)
脅威:ドイツポストの拡大戦略。UPS、FEDEXとの競合。シェンカー、パナルピナなど大手フォワーダーとの競合。

(分析)
*自社の強みと市場機会を活かすためには、エキスプレス、メール事業を強化して、東欧や中国市場へ進出するという戦略案がある。
*弱みを補うためには、ロジスティクス、フレートマネジメントを強化して、ワンストップショップへ対応するという戦略案がある。


(ロジスティクス・ジャパン 06年12月2日の記事です)


ヤマト運輸に学ぶロジスティクスマーケティング(5)

最近、日経を読む際に日本郵船やヤマト運輸などの全面広告を目にします。それが気になってヤマト運輸のホームページをみてみたら、クロネコギャラリーという広告をまとめたページがありました。

http://www.kuronekoyamato.co.jp/company/ad/ad.html

広告戦略のケースとしては非常にまとまっているため、理論の概要とともにお伝えしたいと思います。

■広告対象による類型
企業広告: 特定ブランドについてではなく、企業について訴求した広告
製品広告: 特定のブランドの宣伝。宅配便、クロネコメール便、

ヤマト運輸のホームページにそれぞれ類型を明示して掲載されておりますので、わかりやすいと思います。参考にしてください。

■訴求内容による類型
情報提供型広告: 製品情報について訴求
説得型広告: 自社ブランドが品質面やコスト面で優れているかを訴求
リマインダー広告: 自社ブランドを忘れさせないことを訴求
比較広告: 自社ブランドと競合ブランドを直接、間接に比較

ヤマト運輸の広告は情報提供型、説得型、リマインダー型のミックスです。

■メディナによる類型
メディア テレビ
長所 広いカバレージ 広いリーチ 映像、音、動きを伴う 露出当りの低いコスト
短所 セグメントしにくい 高コスト メッセージが短命

メディア ラジオ
長所 低コスト セグメント可能
短所 音のみの利用 メッセージが短命

メディア 雑誌
長所 セグメント可能 多くの情報を提供 メッセージが長命
短所 視覚だけによる訴求 広告変更などにおける低い柔軟性

メディア 新聞
長所 広いカバレージ 高い柔軟性
短所 視覚だけによる訴求 メッセージが短命

メディア 屋外
長所 高い反復率 高い注目率
短所 特定の地点に限定 少ない情報量

メディア ダイレクトメール
長所 対象者の絞込み可能 多くの情報を提供
短所 接触あたりの高いコスト

ヤマト運輸では、テレビ、雑誌、新聞、屋外広告などを組み合わせて、多面的に宣伝を行っているようです。

広告対象、訴求内容にあわせたメディアミックスにより、非常に多面的な広告戦略をとっているようです。戦略の目的は、ヤマト運輸とそのサービスブランドの価値向上ですが、これだけ積極的に宣伝を行っているロジスティクス企業も他
にないので、非常にユニークです。

ただそれ以上に、サービス内容が伴って初めてこうした広告が価値を生むのだと思います。相乗効果でヤマト運輸とそのサービスブランドの価値が向上しているのでしょう。


(ロジスティクス・ジャパン 08年3月31日の記事です)


ヤマト運輸に学ぶロジスティクスマーケティング(4) [ロ

日曜日の朝よく外出するのですが、朝からヤマト運輸の駅までの10分くらいの道のり
で、トラックや自転車を2ー3回は見かけます。外出先でも同様です。日本郵便会社はほ
ぼ皆無です。リテールに限っては宅配便の競争はすでに勝負は決まっているように思い
ます。

さらに近い将来ヤマト運輸が郵便事業を日本郵便にとってかわる可能性あります。その
先ですが、先日CEOが辞任したドイツポストが一つのモデルでしょう。ドイツポストは郵
便事業であがる収益を支えに買収戦略でグローバルロジスティクス企業を形成しまし
た。ヤマト運輸の経営陣がそこまで描いているのか不明ですが、目標とはなるのではな
いでしょうか。自社展開するには時間がかかりすぎます。企業向けグローバルロジステ
ィクス市場への展開にはこれまでとは違う大胆な戦略が求められます。

▼リーダー企業の戦略

■ターゲット市場・製品
宅配便市場だけですが、個人向けから法人向けまで全セグメントに対して、フルライン
サービスを提供しているといえるでしょう。さらに他社ではまねのできないような新し
いサービスを次々に生んでいます。

サービス内容ですが、

宅急便、パソコン宅急便、クロネコメール便、ゴルフスキー宅配便、空港宅急便、往復
宅急便、クール宅急便、コレクトサービス、宅急便エクスクローサービス(インターネ
ットオークション用。代金回収サービスも)、時間便、航空便、クロネコフォトメール
便、美術便、国際宅急便、海外引越サービス

など様々です。

ヤマト運輸の売上のほとんどは宅配便事業です。提供サービスのほとんども宅配便サー
ビスです。これは日通などチャレンジャー企業と比較すると企業としての提供サービス
が極端に偏りがある違いがあることがわかります。その点が経営課題でもありますが、
強みであることも間違いありません。

宅配便市場で全セグメントへの訴求のため、理論的にはブランドイメージがぼやけると
いう短所があります。実際、これだけのサービスがあったのかと驚き、それほど必要な
かのか、個々のサービスの収益性などに疑問はあります。一方でサービス全体で宅配便
サービスの付加価値を高めて、ヤマト運輸のブランド価値を高めているというのも確か
だと思います。ロジスティクス市場の中で全セグメントへあらゆるサービスを訴求する
日通の方が、そのブランドイメージがやけるていると思います。ターゲットを絞り込み
経営資源を集中させることが生む強みなのでしょう。

■価格
ヤマト運輸は高いというイメージがあります。非価格対応を実践しています。サービス
にかけるコストが割高なのかもしれませんが、ブランド力やデリバリーの正確性への自
信が背景にあると思います。
 
■チャネル
営業拠点も圧倒的に多いのではないでしょうか。宅急便開始時、酒屋を荷物の取次店と
してサービス網を拡充していった経緯があります。やがて自社の営業所(ベース)を拡
充してゆきました。その結果が冒頭での姿なのでしょう。

■プロモーション
全セグメントへの全体訴求のためプロモーションは新聞、雑誌、テレビなどさまざまな
メディアを活用しております。しかしながら身近に見かけるヤマト運輸のセールスドラ
イバーとトラックが一番の宣伝だと思います。

(ロジスティクス・ジャパン 08年3月5日の記事です)


ヤマト運輸に学ぶロジスティクスマーケティング(3) [

ヤマト運輸の宅配便業界での圧倒的なシェアについては触れましたが、リーダー企業と
しての戦略の観点から見てみたいと思います。

競争の地位別に戦略の類型がモデル化されています。
コトラーは地位別戦略をリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4つに
分類しております。それぞれの特徴は下記の通りです。
 
1.リーダー
リーダーとは業界内で最大の市場占有率の企業です。その戦略目標は最大の市場占有率
の維持、拡大、利潤の最大化、最大の名声・イメージを獲得することです。
ターゲット市場はあらゆるセグメントで、提供製品やサービスは、フルラインです。
従ってあらゆる階層の顧客にあらゆる商品やサービスの提供が目標です。

自動車業界のトヨタ、コンビニ業界のセブンイレブンなどが分かりやすいですね。
宅配便業界ではヤマト運輸はまさしくリーダーにあたります。
具体的内容は来週以降みたいと思います。

2.チャンレンジャー
リーダーに果敢に挑戦し、市場占有率の拡大を狙う企業です。戦略目標はリーダーとの
競争による市場占有率の拡大です。ターゲット市場は、フルカバレッジのリーダーに
対して、ある程度ターゲットを絞るセミフルカバレッジです。戦術としては、リーダー
企業との品質による差別化や低価格化など、リーダーがリーダーであるが故に取れない
ような差別化です。

自動車業界の日産やホンダ、コンビニエンスストア最大手のセブン・イレブンに挑む
ローソンなどが典型です。

3.フォロワー
リーダーに挑戦せず、現状を維持し、あえて危険を冒さない企業です。多くの企業は
このあたりに分類されるのではないでしょうか。戦略目標も市場での生存、生き残り
です。ターゲット市場も中?低価格志向とされます。戦術はリーダーに追随しながら、
低価格でシェアを維持するということです。

製紙業界など、製品差別化が困難な成熟した業界では、競争手段は価格競争しかありま
せん。こうした業界では、競争を仕掛けるよりもリーダーに追随した価格や製品を提供
する方が合理的です。運送業界も基本的にはこれと同じ構造なのではないでしょうか。

4.ニッチャー
採算性のためにリーダーが扱わない分野もしくは気がついていない分野に資源を集中さ
せる企業です。成長している中小企業がとる戦略というイメージがあります。戦略目標
は特定市場での利潤、名声、イメージの確立です。ターゲット市場も特定市場セグメン
トとなります。経営資源の限られた企業が採用する差別化集中よるミニリーダー政策
(特定市場でのリーダー政策)です。 

腕時計メーカーのロレックスや、ロジスティクス業界でいえばトランクルームのテラダ
倉庫などがこれに該当するのでしょうか。

市場が小さいために経営コストが相対的に高い大手企業では採算がとれずに参入がない
ため、小さな企業でも生きのこることが出来ると考えられます。そのため市場が拡大し
た場合の大手参入のリスクを常に念頭において、差別化集中や他のニッチ市場への参入
などを検討する必要があります。

(ロジスティクス・ジャパン 08年1月31日の記事です)


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