2017年度版中小企業白書・小規模企業白書が発表

今回の両白書のテーマは「中小企業のライフサイクル」。
「起業・創業」「事業承継/M&A/廃業」「新事業展開/売上拡大」といった
会社の置かれたライフステージ別に対処すべき課題を
調査結果や各社の事例を通して分析しています。

そのほか共通課題である「人材不足」について
人材を採用するための工夫や、女性やシニア等の多様な人材の活用、
ITや外部資源の活用(アウトソーシング)を
事業者の取り組みを通して分析しています。

2017年版「中小企業白書」
2017年版「小規模企業白書」


矢野経済研究所 物流17業種に関する調査を実施(2017年)

矢野経済研究所では、次の調査要綱にて物流17業種の市場調査を実施した。

◆ 2015年度の物流17業種総市場規模は前年度比99.1%の20兆4,110億円、2016年度は前年度比96.0%の19兆5,970億円の見込み
2015年度の物流17業種総市場規模は、前年度比99.1%の20兆4,110億円と推計した。国内の物流市場全体は比較的堅調に推移しているものの、ここ数年の海外需要がやや低迷していることが影響した。2016年度は引き続き、国内市場全体は堅調に推移しているが、海外需要については2015年度と同様に低迷していることから、前年度比96.0%の19兆5,970億円を見込む。

◆ 人手不足問題は業界全体の課題ではあるが、「スマート物流」に向けた兆しも
物流事業の専門性はますます高度化しつつあり、且つ複合的な物流サービスの展開が必要となっている。こうしたなか、物流事業の業種を超え、専門性を追求した企業合併や買収、業務提携や、効率的な物流を担うための情報の一元化など通じた物流サービスのプラットフォーム化といった改革も進んでいる。
また、物流業界において人手不足が社会問題化するなか、今後は、IoT(Internet of Things)や人工知能(AI; Artificial Intelligence)などを活用した省力化・自動化といった「スマート物流」に変革する兆しが見えつつある。

https://www.yano.co.jp/press/press.php/001681


大手物流企業の環境経営(2)キューネ+ナーゲル(K+N)

(1)経営概況
スイスに本社を持つ世界最大級のフォワーディングを中心としたロジスティクス企業である。2012度売上高20,753百万フラン(2兆3658億円 換算レート114円/フラン)、売上総利益6,094百万フラン(6,947億円)を誇る大企業である。地域セグメント別売上高はEU60%、アメリカ22%、アジア太平洋10%、その他8%で、事業セグメント別売上高は海上フォワーディング43%、航空フォワーディング19%、鉄道道路輸送15%、コントラクト・ロジスティクス21%と事業ポートフォリオを分散化させている。
K+Nは、コントラクト・ロジスティクス業務を強化しており、地域・事業ポートフォリオの分散化と合わせて、リーマンショック以降でも好業績を続けることができた大きな要因となった。売上総利益の50%はコントラクト・ロジスティクスによるものである。2008年以降サムスンやエアバスなどのグローバル企業からコントラクト・ロジスティクス業務を獲得している。また仏Allonグループの買収など事業強化のための組織再編を積極的に行いながら事業と営業地域の拡大を図っている。地域セグメントでは、鉄道道路事業でCIS、中央アジア向けなどを強化している。

(2)環境経営
K+NではCSRの取り組みの一環としてQSHE(Quality、Safety、Health、Environment、 Security)活動を展開し、品質、安全、健康、環境、セキュリティーの各項目について毎年度期首目標を設定して、年度末に結果を公表している。
QSHEの中において、環境経営の目標としてカーボン・インテリジェンス(後述)、燃料の効率的使用、環境教育、表彰制度など(図1参照)のほか、あらゆる輸送方法での効率的な輸送、効率的な物流施設運用、鉄道と艀を利用した一貫輸送の活用などを目標に掲げている。
カーボン・インテリジェンスなどいくつかの特徴的な施策について紹介する。
 カーボン・インテリジェンスとは倉庫や配送センターを含む顧客のサプライチェーン全体におけるCO2排出量を測定するとともに、サプライチェーン上での削減可能性を明確化し、報告する炭素管理システムである。
 カーボン・インテリジェンスはISO14064で認証されたGFCC(Global Facility Carbon Calculator)とGTCC(Global Transport Carbon Calculator)の2つのシステムから構成されている。GFCCは倉庫や配送センターでの梱包資材の使用量削減、燃料消費削減、廃棄物削減などを測定・報告するシステムで、世界400の施設導入されている。GTCCは海上・航空・道路輸送におけるCO2排出量を測定・報告するシステムである。顧客はK+Nの輸送・保管サービスを活用することで、カーボン・インテリジェンスにより正確な炭素排出量を計測可能となるのである。
Go-Clean-Go-Greenイニシアチブは、船会社14社と荷主14社が加盟するClean-Cargo-Working-Group(CCWG)が主催する取り組みである。メンバーの船会社が燃料消費量を共通の算出方法で測定して、船会社の航路ごとのCO2 排
出量を提供し、荷主に対して海上輸送上の正確なCO2排出量を報告する。顧客が環境に優しいサプライチェーンを構築するために最適なルート、船会社、船の選択を支援することが最終目的である。



大手物流企業の環境経営(1) ドイツポストDHL(DPDHL)

(1) 経営概要
2012年度売上規模7.9兆円(換算レート142.321円/EUR)、EBIT(支払金利前税引前利益)3,793億円。全世界従業員数43万人、航空機保有数168機。世界一のロジスティクス企業である。
DPDHLは1990年の民営化以降、果敢なM&Aとリストラを繰り返して業績を拡大してきた。そのスピード感と迫力は圧倒的である。サプライチェーン事業においては2000年にスイスのダンザス、2006年に英国のエクセルを買収して基盤を固めた。エクスプレス事業では2002年にDHLを傘下に収めた。現在ではエクスプレス事業とサプライチェーン事業のサービスブランドを「DHL」に統合して総合的なロジスティクスサービスを全世界で展開している。2008年度は米航空貨物会社のポーラーエアカーゴ・ワールドワイドの株式の49%を取得する一方で、エクスプレス部門では米国内の業務から撤退するという大規模なリストラを行った。また同年度、ドイツ国内ではポストバンクをドイツ銀行に売却、コアである総合ロジスティクス事業に集中する戦略をとっている。
2012年度のセグメント別売上高はメール事業24.6%、エクスプレス事業22.5%、グローバルフォワーディング・フレート部門27.6%、サプライチェーン25.3%と分散化されている。地域別売上高もEU・中東・アフリカ62%、アメリカ27%、アジア・太平洋11%である。事業セグメント別EBITはメール事業34%、エクスプレス事業35.9%、グローバルフォワーディング・フレート部門16.6%、サプライチェーン13.5%である。

(2)環境経営
新しい温室効果ガス排出量測定方法の標準化や排出量削減管理の普及に積極的に協力している。世界資源研究所と世界環境経済人会議が開発した温室効果ガス・プロトコルの実証や物流産業としては初となる業界統一的な温室効果ガス排出量の算出手法である欧州規格EN16258の開発にも協力している。ロジスティクス企業、キャリア(船会社、航空会社)、荷主など90社以上の欧州企業が参加して道路輸送での温室効果ガス排出削減を目指すGreen Freight Eurpe(GFE)イニシアチブにも参加している。こうした取り組みを通して物流産業全体の温室効果ガス排出量の正確な把握方法の開発に大きく貢献している。
DPDHLは2008年から環境保護プログラムGoGreenを開始した。2020年までにCO2排出量をグループ全体で2007年比30%削減するための取り組みを行っている。2013年までにすでに16%の削減を行った。グラフ1のとおり事業別に集計して公表している。

(3)CO2算出手法
DPDHLは温室効果ガス議定書、域内排出権制度、温室効果ガス排出量の算出・報告・検証等についてのISO規格であるISO14064に基づき、次の3つに区分してCO2排出量を算出している。
・スコープ1:自家輸送による燃料消費や自社施設からの直接的なCO2排出
・スコープ2:電力などの購買活動に伴う間接的なCO2排出
・スコープ3:協力企業などの活動に伴うその他間接的なCO2排出
自社グループの排出であるスコープ1・2については毎月のエネルギー及び燃料消費データと輸送記録に基づいて社内会計システムにより算出する。直接消費データを入手できないスコープ3については自社データに基づく計算モデルにより算出する。スコープ3のデータ算出に当たってはGFEの成果を活用している。
 温室効果ガス・プロトコルとEN16258により、温室効果ガスの測定対象物質を拡大させるとともに、燃料の精製から廃棄までの燃料サプライチェーン上での温室効果ガス排出量の算出可能範囲を拡大し、燃料の上流工程を含めて同社グループの全温室効果ガス排出量の90%を把握している。
 DPDHLでは2009年度に環境会計システムをグループ全体に導入し、経理部門に統合することで正確なCO2排出量の算出を行っている。

(4)CO2排出量の削減手法
DPDHLはあらゆる輸送モード、施設でCO2排出量削減のための取り組みを行っている。対策はエネルギー消費削減策とクリーンエネルギー使用に区分され、最適化のための技術開発や技術導入を積極的に行っている。
トラックや航空機など輸送機器の更新により、道路輸送や航空機輸送における燃料消費の効率化を図る一方、バイオディーゼルや天然ガスなど環境配慮燃料の使用により炭素排出量を削減している。例えば米国ではダグラスDC?8Sに変えて燃料効率の高いボーイング767Sを導入した。海上輸送ではグリーン・キャリアー・スコアカードに基づいて船会社のCO2排出量等環境面でのパフォーマンスを評価し、環境的側面からの協力船会社管理に活用している。オフィスビルや倉庫等の施設でも再生可能な電力(グリーン電力)、バイオガス、雨水等あらゆるクリーンエネルギーの使用に取り組んでいる。

(5)グリーンサービス
 顧客向けCO2排出量削減サービス(グリーンサービス)には、カーボンニュートラル、カーボンレポート、グリーン最適化の3つがある。
カーボンニュートラルは、主にメールとエキスプレス事業の顧客を対象に、顧客の貨物輸送に伴うCO2排出量と同等の排出権をプロバイダーやDPDHLが支援する京都議定書に基づくプロジェクトより調達してカーボンオフセット(CO2排出量の相殺)を行うサービスである。顧客はカーボンオフセットについての公的な証明書を入手できる。
 カーボンレポートは、顧客がDPDHLの輸送サービス利用で発生したCO2 排出量についての顧客ごとにカスタマイズされた報告書である。フォワーディング事業ではカーボンレポートのオンライン版であるカーボンダッシュボードも提供している。
グリーン最適化では、顧客のサプライチェーン全体での環境に優しい輸送手段を明確化し、CO2排出量を最小化できる最適な輸送手段をアドバイスしている。
 2012年度のグリーンサービス全体での成果は表3のとおりである。排出量計算とカーボンオフセットデータについては世界的な独立認証機関であるSGSによりISO14064 に基づく認証を毎年受けている。




国際協力銀行 わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告

株式会社国際協力銀行(JBIC、総裁:近藤 章)は、わが国製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査を実施し、本日結果を発表しました。今回の調査は、本年7月に調査票を発送し、7月から9月にかけて回収したものです(対象企業数1,012社、有効回答数637社、有効回答率62.9%)。本調査は、海外事業に実績のある日本の製造業企業の海外事業展開の現況や課題、今後の展望を把握する目的で1989年から実施しており、今回で28回目となります。(報告書全文:わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告)(PDF: 1.6MB)

本年度調査では、「中期的海外事業展開見通し」や「海外事業展開実績評価」、「有望事業展開先国・地域」などに加え、個別テーマとして、「サプライチェーンの在り方と生産・研究開発拠点の役割」、「グローバル市場における競合状況」等についても調査を行いました。


「工作機械 産業競争力上重要な技術のサプライチェーン把握に関する調査研究」経済産業省

本調査の目的は、我が国企業の高い技術力の結集である工作機械を対象として、国内外のサプライチェーンの実態調査を通じ、サプライチェーン調査・分析手法を確立することであり、工作機械のケースにて、日本のメーカーの有する技術優位性の更なる維持・強化に加え、我が国企業の技術・ノウハウの保護の観点でサプライチェーンを脅かす各種リスク(シングルソース等)を調査・分析した上で、当該技術の事業化・商業化において必要不可欠な原材料から最終製品に至るサプライチェーンの維持?強化に資する対応策を提案することである。
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000634.pdf


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