大手物流企業の環境経営(2)キューネ+ナーゲル(K+N)

(1)経営概況
スイスに本社を持つ世界最大級のフォワーディングを中心としたロジスティクス企業である。2012度売上高20,753百万フラン(2兆3658億円 換算レート114円/フラン)、売上総利益6,094百万フラン(6,947億円)を誇る大企業である。地域セグメント別売上高はEU60%、アメリカ22%、アジア太平洋10%、その他8%で、事業セグメント別売上高は海上フォワーディング43%、航空フォワーディング19%、鉄道道路輸送15%、コントラクト・ロジスティクス21%と事業ポートフォリオを分散化させている。
K+Nは、コントラクト・ロジスティクス業務を強化しており、地域・事業ポートフォリオの分散化と合わせて、リーマンショック以降でも好業績を続けることができた大きな要因となった。売上総利益の50%はコントラクト・ロジスティクスによるものである。2008年以降サムスンやエアバスなどのグローバル企業からコントラクト・ロジスティクス業務を獲得している。また仏Allonグループの買収など事業強化のための組織再編を積極的に行いながら事業と営業地域の拡大を図っている。地域セグメントでは、鉄道道路事業でCIS、中央アジア向けなどを強化している。

(2)環境経営
K+NではCSRの取り組みの一環としてQSHE(Quality、Safety、Health、Environment、 Security)活動を展開し、品質、安全、健康、環境、セキュリティーの各項目について毎年度期首目標を設定して、年度末に結果を公表している。
QSHEの中において、環境経営の目標としてカーボン・インテリジェンス(後述)、燃料の効率的使用、環境教育、表彰制度など(図1参照)のほか、あらゆる輸送方法での効率的な輸送、効率的な物流施設運用、鉄道と艀を利用した一貫輸送の活用などを目標に掲げている。
カーボン・インテリジェンスなどいくつかの特徴的な施策について紹介する。
 カーボン・インテリジェンスとは倉庫や配送センターを含む顧客のサプライチェーン全体におけるCO2排出量を測定するとともに、サプライチェーン上での削減可能性を明確化し、報告する炭素管理システムである。
 カーボン・インテリジェンスはISO14064で認証されたGFCC(Global Facility Carbon Calculator)とGTCC(Global Transport Carbon Calculator)の2つのシステムから構成されている。GFCCは倉庫や配送センターでの梱包資材の使用量削減、燃料消費削減、廃棄物削減などを測定・報告するシステムで、世界400の施設導入されている。GTCCは海上・航空・道路輸送におけるCO2排出量を測定・報告するシステムである。顧客はK+Nの輸送・保管サービスを活用することで、カーボン・インテリジェンスにより正確な炭素排出量を計測可能となるのである。
Go-Clean-Go-Greenイニシアチブは、船会社14社と荷主14社が加盟するClean-Cargo-Working-Group(CCWG)が主催する取り組みである。メンバーの船会社が燃料消費量を共通の算出方法で測定して、船会社の航路ごとのCO2 排
出量を提供し、荷主に対して海上輸送上の正確なCO2排出量を報告する。顧客が環境に優しいサプライチェーンを構築するために最適なルート、船会社、船の選択を支援することが最終目的である。



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