ロボットアームと搬送台車を統合制御して、効率的なピッキング作業を実現する 複数AI協調制御技術を開発

株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、ピッキング*1用ロボットと自律走行する搬送台車*2を統合制御することで、搬送台車に積まれた商品群の中から指定の商品をスムーズに取り出し、ピッキング作業を効率化する複数AI協調制御技術を開発しました。本技術は、カメラ*3画像から、取り出す商品とその最適なピッキング方法を判断するAIのもと、ピッキング用ロボットを制御するAIと、搬送台車を制御するAIをリアルタイムに統合管理し、協調制御します。本技術により、商品の荷積み状態に基づいて、搬送台車とロボットアームは最適な速度で互いに衝突することなく近づき、搬送台車の移動を止めることなくスムーズに商品をピッキングすることが可能です(図1)。搬送台車を都度停止させてからピッキングを行う従来技術と本技術の比較実験を行った結果、ピッキング作業の所要時間を38%短縮できることを確認しました。今後、日立は、本技術を搭載した倉庫作業ロボットシステムの製品化をめざすとともに、作業の自動化や高速化技術の開発を通じて、物流の効率化に貢献していきます。なお、本技術のうち、搬送台車の動きに合わせてロボットアームの動作を計画し、微修正する機能は、英国エディンバラ大学と共同で開発したものです。

近年、物流倉庫では、膨大な種類と数の商品在庫の中から注文に応じた商品を集めるピッキング作業が大量に発生しており、作業の自動化と効率化が求められています。ピッキング作業を支援するために商品を棚・ケースごと運ぶ搬送台車は既に実用化されており、現在はケースから商品を取り出すピッキング用ロボットと搬送台車を組み合わせたシステムの開発が進められています。しかし、ケース内の商品の荷積み状態は、搬送やピッキング作業に伴い崩れて複雑になるため、搬送台車の移動速度も考慮した上で、瞬時に取り出す商品や取り出し方法を判断してロボットを制御するのは困難であり、ピッキング作業を行う前に搬送台車を静止させる必要がありました。そのため、搬送台車の停止時間がロスとなり、効率的なシステムを構築することが困難でした。
そこで今回、日立は、ピッキング用ロボットと搬送台車を協調させ、ピッキング作業の効率を最大化するための複数AI協調制御技術を開発しました。本技術の特長は次の通りです。

(1)カメラ画像から最適なピッキング方法を判断するAI
カメラの画像から、商品の荷積み状態に応じてピッキング用ロボットが取り出し可能な商品の位置や、搬送台車の速度調整量を判断するAIを開発しました。本AIは、事前にピッキング対象の商品の3Dデータを入力することで、さまざまな移動速度で運ばれる商品の荷積み状態をランダムに発生させ、ロボットアームによる数万通りのピッキング動作をシミュレーションします。このシミュレーションの結果に基づき画像解析処理の教師データ*4を自動生成し、ディープラーニング*5を活用した学習を行うことで、荷積み状態に応じて変化する作業対象の商品位置や搬送台車の速度調整量など、ピッキング用ロボットと搬送台車を制御するために必要な情報を画像から解析し、判断します。実際にピッキング作業を行いながら学習する必要がないため、効率的に導入・運用することができます。

(2)リアルタイムな複数AI協調制御技術
運ばれてくる商品のケースの中をピッキング用ロボットの手前に設置したカメラで撮影し、画像から最適なピッキング方法を判断するAIのもと、リアルタイムにロボットのAIと搬送台車のAIを協調制御する技術を開発しました。本技術は、ピッキング用ロボットを制御するAIに対しては取り出す商品の位置情報に基づき算出したアーム動作を指示し、搬送台車を制御するAIに対しては現在の移動速度をもとに減速や加速を指示します。また、ピッキング用ロボットのAIは搬送台車の速度や位置をリアルタイムに確認し、ケースや他の商品に衝突しないようにアーム動作の微修正を行うことで、搬送台車を停止させることなく、効率的な自動ピッキングを実現します(図2)。

本技術を活用した社内実験の結果、0.5m/秒で走行する搬送台車を停止させることなく、商品のピッキングに成功しました。また、搬送台車を停止させてからロボットが商品を取り出す従来の方法では、13秒だった作業時間が、本技術を活用した場合は8秒と、38%の高速化を確認しました。

エディンバラ大学Sethu Vijayakumar教授(エディンバラ王立協会フェロー)のコメント
「このたび、日立との2年間強の連携が実を結び、倉庫作業自動化に向けた技術開発において実用的な進展がみられましたことを大変喜ばしく思います。われわれのロボティクス・ラボは、多くの関節を持つ複雑な多自由度ロボットを対象とした、ロボットの動作を適切に計画・制御するための機械学習技術における最先端の研究機関です。今回の開発はわれわれの技術を実世界の課題解決へと適用する良い機会だと思います。」

日立は、今後、本技術の製品化を図るとともに、無人搬送車「Racrew」*6や自律型移動ロボット「HiMoveRO」*7などとあわせて、物流の効率化に貢献していきます。




自社開発の物流施設を対象に 物流ロボットのフリーレントサービスを開始

オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:井上 亮)とオリックス・レンテック
株式会社(本社:東京都品川区、社長:井尻 康之)は、このたび、自社で開発する物流
施設に入居するテナントを対象に、物流ロボットを 6 カ月間無償で提供するレンタルサー
ビスを開始しますのでお知らせします。物流施設の開発事業者が、物流ロボットを無償で
レンタルする業界初*の取り組みです。

本取り組みでは、物流業務を支援する自動搬
送ロボットを中心に 6 メーカー、7 機種を取り
揃え、用途に応じてロボットを選択してご利用
いただくことが可能です。また、入居スペース
の有効利用方法に加えて、ロボットの具体的な
活用方法や導入効果シミュレーションなどをパ
ッケージ化してご提案します。

現在、物流業界は電子商取引(EC)の発展などを背景に多数の物流施設が開発されてお
り、人材の確保が大きな課題となっています。それに伴い、現場では作業員の負担軽減や
生産性向上のため、ロボットの活用による効率化ニーズが高まっています。一方で物流施
設内でのロボットの導入においては、システム構築などの初期投資の大きさや投資対効果
の検証が容易ではないなどの問題から、積極的な活用が進んでいないのが現状です。
オリックスとオリックス・レンテックは、今後もグループの総合力を生かしたサービスを
開発し、人とロボットの共存により実現する効率的な職場環境をご提供してまいります。



日立物流 「物流トラック運行管理における疲労科学に基づく事故リスク評価予測手法の開発」 に関する共同研究開始のお知らせ

株式会社日立物流(以下、日立物流)および日立キャピタルグループの日立キャピタルオートリース株式会社(以下、日立キャピタルオートリース)は、国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター(以下、理研)、学校法人関西福祉科学大学(以下、関西福祉科学大)、株式会社日立製作所(以下、日立製作所)と「物流トラック運行管理における疲労科学に基づく事故リスク評価予測手法の開発」を目的として、共同研究契約書を2018年4月24日に締結し、共同研究を開始しましたのでお知らせいたします。

1.背景とねらい
事故を防ぎ、人を守ることは、輸送事業者だけにとどまらない社会的使命であり、IoTテクノロジーの活用により、ドライバー任せにしない安全運行のためのビークルソリューションを開発し、安全・品質を確保するとともに、本取り組みを広く展開し、プラットフォーム化することで「安全・環境に配慮した社会」「事故ゼロの社会」の実現をめざします。

2.共同研究の概要
【研究目的】
トラック運送業務におけるドライバーの疲労に着目した、運行中の事故リスクを低減する安全運行支援技術を開発する。

【研究内容】
トラック運送業務における、
(1)ドライバー・車両から運転行動を表現するセンシング項目を取得、重篤な事故につながる事故リスクKPIを定義して、上記センシング項目からドライバーの事故リスクを評価するシステムを確立する。
? 運行前の生体の測定情報、および運行中の車載センシング機器からの危険シグナルおよび生体情報のすべてをクラウドに集約
? 非定常動作・ヒヤリハットの記録を蓄積

(2)上記事故リスクと同時にドライバーの疲労度合いを測定し、他の条件(運転スキル、環境条件など)とあわせて疲労と事故リスクの関係を解明、モデル化する。
? AIによる時系列多変量の相関性分析により、事故・ヒヤリハットに影響を与える状況を判断
? 疲労科学に基づく事故リスク評価

これらにより、ドライバーに対して適切なタイミングに適切なリコメンドを生成できる安全運行支援、および管理支援技術を開発する。
? リアルタイムにドライバーおよび運行管理者へ警告を発信

【共同研究による事故リスク評価・予測手法の実用化とプラットフォーム化について】

1.ソリューションの概要
? 運行前の生体の測定情報、および運行中の車載センシング機器からの危険シグナルおよび生体情報のすべてをクラウドに集約
? AIによる時系列多変量の相関性分析により、事故・ヒヤリハットに影響を与える状況を判断
? リアルタイムにドライバーおよび運行管理者へ警告を発信
? 非定常動作・ヒヤリハットの記録を蓄積
? 「疲労科学」学識者との共同研究(疲労科学に基づく事故リスク評価・対策による安全・品質の追求)
2.ユーザーへの提供価値
(1)運送事業者:トータルサポート
?ドライバーを守る労働環境の構築と事故防止によるロスコストの削減
?デジタル化による運行管理者業務の軽減と効率的な安全教育
?安全品質の向上、品質指標の見える化
(2)ドライバー:労働負担軽減と環境改善
?個々の体調に応じたリアルタイムでの注意喚起による運転中の安全支援(過労運転防止)
?個々の運転状況(異常運転または危険運転)に対するリアルタイムでの注意喚起(危険運転防止)
?スキルの公正な評価と指導によるモチベーション・安全意識レベルの向上
3.今後の展開
?事故のゼロ化とロスコストの削減をめざしたIoTテクノロジーのさらなる活用
?ソリューションを通じて得られる知見と情報をいかした高度運行管理システム・安全教育システムの構築
?車両のリース・保険・整備・共同調達機能を付加したトータルソリューションパッケージ化
・「金流×商流×物流×情流」の新たなイノベーションの実現に向けた取り組みの一環で、日立キャピタル株式会社が推進するビークルソリューション事業と日立物流の自動車関連事業(車両の販売・リース・整備等)との連携
4.将来構想<エコシステムの拡大から生活を支えるライフラインとして>
・ デバイス設置およびメンテナンス作業の事業創出
・ 調達機能共有化によるイニシャルコスト低減と導入車両の拡大
・ 事故ポテンシャル低減を立証することによる保険料率見直しへのアプローチ
・ 車両故障や消耗部品(タイヤなど)の予兆診断による整備ビジネスへの貢献
・ トラックメーカーとの協創による標準装備化
・ バス・タクシーへの適用拡大



オープンロジ インドネシアで物流プラットフォーム実証実験を開始

 物流プラットフォームを運営する株式会社オープンロジ(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:伊藤秀嗣、 以下オープンロジは、独立行政法人日本貿易振興機構(本部:東京都港区、理事長:石毛博行、以下JETRO) の事業て?ある「日ASEAN新産業創出実証事業」の公募に採択され、インドネシアて?4月16日から2019年3月 29日まて?の期間、EC事業者と物流事業者を結ふ?物流フ?ラットフォームの構築に向け、現地大手のECモールと 連携し、物流フ?ラットフォームの実証実験を行います。

※プレスリリース(PDF)はこちら
■本件のポイント
◯初めて国外で、EC事業者と物流事業者を結ふ?物流フ?ラットフォーム「オーフ?ンロシ?」の実証実験を行う
◯世界4位の人口をもちEC市場の成長著しいイント?ネシアて?、現地大手のECモールと連携する
◯既に日本て?顕在化している物流事業者の負担を未然に防き?、健全なEC市場の成長に貢献する

■本件の背景
インドネシアは、世界4位の人口[1]を抱える一方て?、インターネット普及率は東南アシ?ア主要国の中て?最下位となっています。[2]今後、インターネットか?普及し、中国・イント?に次く?高いEC市場の成長か?見込まれますか?、増加か?予想される個人・中小規模のEC事業者にとっては、物量や与信等の問題を出来る限り緩和した従来の企業間物流とは異なる新しい物流ソリューションか?必要となります。
当社は、これらの問題に寄与する、倉庫の非稼働時間・遊休スヘ?ースを活用することて?実現する従来の企業 間物流とは異なる新しい物流アウトソーシンク?サーヒ?スを国内数十拠点の倉庫会社と協働し、日本の中小EC 事業者を中心に3,500社以上に提供してまいりました。この度、創業以来展開してきた国内て?の事業か?JETROに評価され、ECの著しい成長か?期待されるイント?ネシアて?「日ASEAN新産業創出実証事業」として物流フ?ラ ットフォーム「オーフ?ンロシ?」の実証実験を開始いたしました。
また、EC市場の成長か?期待されるASEAN諸国て?、日本て?既に顕在化しているような荷物の増加に対する 物流事業者の負担を未然に防き?、市場の健全な成長に貢献していきたいと考えております。

■本件の概要
インドネシアにて、現地大手のECモールと連携し、インドネシア市場の効率化と日本の物流事業者やEC関連事業者のASEAN市場参入の一助になることを目的に、物流プラットフォーム事業の実証を行います。創業以来、弊社が運営してきたEC事業者と物流事業者をつなぐ物流プラットフォームを初めてASEANにて展開いたします。

(1)実証期間
2018年4月16日〜2019年3月29日

(2)実証国
インドネシア

(3)内容
現地調査、現地大手ECモールと連携し「オープンロジ」を実証

(4)オープンロジが実証する価値
中小EC事業者が、出荷作業や在庫管理などの煩雑な物流業務から開放され業務効率を改善する

■インドネシアにおける課題
インドネシアのECビジネスの成長における課題は、物流と代金決済と言われています。地場スマホ調査会社JACPATの調査では、荷物の遅延や品質の劣化を問題視する消費者が7割を超え、費用についても6割が課題だと感じています。島国で国土が広く、物流インフラが不十分なため、物流会社は到着日を予測しにくく、 出荷から受け取りまでに時間がかかり、保管にかかるコストなどが上乗せされるため、送料は高くなる傾向にあります。EC専用のロッカーがコンビニに設置されるなど新たなサービスも登場しておりますが、多様な消費者ニーズに対応できる効率的なサプライチェーンの構築が必要だと考えられます。



GROUND、米国Soft Robotics社が開発した画期的な物流ロボットを日本で初めてとなる提供へ向けて基本合意

GROUND株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役:宮田 啓友、以下「GROUND」)は、米国のロボットハンド専門企業であるSoft Robotics社(本社:米国ケンブリッジ、CEO:Carl Vause、以下「ソフト・ロボティクス」)が開発した画期的なロボティック・グリッパーを有する物流ロボットを日本国内で初めて提供する基本合意に達しましたのでお知らせします。

ソフト・ロボティクスは、2013年にハーバード大学の研究員達が中心となり創業した米国発ベンチャー企業です。同社が開発・提供するピッキングソリューション『スーパーピック(SuprePick)』はAI、クラウドコンピューティングなどの技術を応用し、非定型な個体を高い精度とスピードで処理することができます。

この度、GROUNDは、既に米国を中心に100社以上で採用されている同ロボットの日本国内の物流領域における独占販売権に関する基本合意に達しました。今後国内複数拠点において同物流ロボットの提供を開始いたします。

■ Soft Robotics Inc.について(https://www.softroboticsinc.com/our-products/)
2013年にハーバード大学ホワイトサイドリサーチグループ(Whitesides Research Group)の研究員達が中心となり創業した米国発ベンチャー企業。AI、クラウドコンピューティングおよびマテリアルサイエンスの技術を応用したピッキングソリューションの開発・提供を行う。

http://groundinc.co.jp/2018/04/18/release-20180418/


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